キッカケ

との出会いはとあるSNSだった。
2月24日夜中の3時半に、が私の日記にコメントを書いてくれたのが出会いだった。

お近くのようですし・・・
どうぞよろしく
ペコリ(o_ _)o))


これがが最初にくれた言葉。
なんてことはない。普通の挨拶程度。

それに対して、の日記に私が書き込んだのが
『共通項ありますね〜』 だった。

この時はまだ同じ県内に住んでいて、共通項がある人程度。
日記の写真が面白くて…という感じだった。


別に頻繁にコメントを交わすわけではなかったけれど、
一ヵ月近く経ったある日、カウンターのキリ番を踏んだ私に
『記念にデーツ券をプレゼントします。。。www』
というメッセージがから送られてきた。

その時はジョーク程度に『ありがとう!』と返事をして終わったのに、
彼氏が欲しいとかデートがしたいと日記に書いた内容に、彼から『立候補します』というコメントが付けられた。
これはあくまでもジョークやノリという感じの書き込みだったと思う。
他にも立候補してきた人がいたし。
そういうコメントを真に受けることもないけど、彼からのコメントだけは何故か直感が走った。

そう言えば…キリ番にデート券をもらったな、と彼からのメッセージをもらったことを思い出した私は何気なく
『いただいたデート券はまだ有効ですか?』というメッセージを送信。

そこから頻繁なメッセージのやり取りが始まる。
メッセージでは面倒だからと携帯のメルアドを交換したのが全ての始まりだった。

初めてのデート

ネットで出会ってちょうど一ヶ月目の3月24日。
携帯でのメールのやり取りになってからわずか3日で会うことになった。

3日間のメールのやり取りは、お互いの写メを交換したり、色んな話しをした。
ネットで一ヵ月日記のコメントやメッセージをやり取りするよりも遥かに濃い内容だった。

写メを交換した時点で直感した。
この人と付き合いたいと。
見た目もそうかもしれないけれど、それまでの真面目なメールのやり取りで彼の人柄を感じていたから、直感といよりも確信に近かった。

その日は彼が夜勤明けで
『今日は何をしていますか?』
というメールが始まりだった。

しかもそのメールが届いたのは午前10時前。
『ランチでもしませんか?』という彼からの突然の誘いに心が躍った。

朝の10時にお昼に会う約束をして、慌てて用意をして13時に駅で待ち合わせた。

お互い写真だけでしか知らない間柄。
しかも私は西口と指定したのに、その駅には南口改札しかなかった。
慌てて彼に電話をかけしどろもどろになった。
緊張しすぎて自分で何を言っているのかさっぱりわからない。
南口改札の前で会うということを伝え、かなりの緊張のなか携帯電話を握り締め彼が現れるのを待った。

突然携帯が、しかも大音量で鳴った。
設定を間違えていた私…
あまりの大音量で緊張の上恥ずかしも加わって、携帯を落としそうになった。

『もしもし?』
と出た瞬間に目の前に現れた写真の人。
彼は電話に出ることなく携帯を閉じた。
携帯を耳に当てたまま、彼と目が合った瞬間。
お互い写真の相手だと確信した瞬間だった。

軽く挨拶を交わし、近くのイタリアンレストランへ向かいながら何気ない会話を交わす。

「突然だったから慌てましたよー(笑)」

意外に素直に言葉が出てくる自分に驚く。

緊張しているのに緊張しすぎているわけではなかった。
心地良い緊張と会いたかった人に会えた喜びで心臓がドキドキしっぱなしだった。

時折見せる彼の吸い込まれそうな優しい瞳にドキッとした。
落ち着いた雰囲気。
彼も緊張しているだろうけど、そんなことを感じさせない余裕の振る舞い。
自然にレディーファーストができる彼の行動と、何気ない優しさ。


これが初めてのデートとなった。


ポツリポツリと会話を交わしながらのランチ。
緊張して食べられないと思っていたけれど、デザートを食べる頃にはいつもの私になれていた。
食事を終えて、さてどうしようかと話し、行った事がなかったネットカフェに入ることになった。

2人掛けのソファーに座り、好きな雑誌を見ながら会話を交わし、気がつくと彼は意外なほどピッタリくっつき隣に座っていた。
落ち着いたはずの緊張とドキドキがまた訪れた。
心臓の音が聞こえそうなくらいドキドキしていた。

ネットカフェで映画を観始めたけれど、お互い話したいことがいっぱいあって映画どころではなかった。
ストレートな会話を交わした。
初めて会った人に自分の素直な考えや気持ちを伝えられる事が不思議だった。
初対面だとなかなか心を開けない私が、彼を前にして素直にちゃんと話せている。

彼が私の手を握り、手を握ったまま会話を交わす時間。
映画はただBGMように流れていた心地良い時間だった。

短い時間だったけれど、ネットカフェから駅までの道を手を繋いで寄り添って歩いた。
もう会話は何もなかったけれど、何も話さない瞬間も心地良い彼の隣。

『またね』と手を振り別れた彼の言葉は、必ず次があるという確信の持てる言葉だった。

彼に会えて良かったと心から思えた瞬間、私は恋に落ちた。
楽しい恋に落ちた。

お花見デートとお気に入り

何気ない会話を頻繁なメールで交わす日々が始まった。
会った事ですぐに砕ける会話を交わすようになったわけではなかったけれど、それはそれで彼の人柄がにじみ出る言葉ばかりだった。

残念なことに、私の不注意で彼とのメールが携帯から消えてしまった。
だから詳細は全く残ってなくて、こうしてブログに書きたいなと思った時に振り返るメールがないからかなりショックだ。

でも過去を振り返るよりも今は、毎日届く彼からのメールがそんなショックをかき消してくれている。

初めてのデートからわずか一週間。
夜勤明けに会おうという約束を交わした前日。
桜を見に行こうという話になった。

『どこでお花見したい?』

携帯メールのやり取りになる前にメッセージで彼が教えてくれた桜の名所を思い出した。

そこへ行きたい。

『車がないと無理だよ?』

大丈夫。私が運転するから。

夜勤明けの仕事帰り、その日はまるで二人がお花見デートを歓迎するような五月晴れのような晴天だった。

慣れない運転も、彼が助手席ならば大丈夫だと思えた。

途中のファミレスでお昼を食べてから桜の名所に向かった。

到着した途端に目に飛び込んでくる桜のトンネル。
彼は私の手を繋ぎ、桜のトンネルのスタート地点に立たせてくれた。
ここから桜のトンネルが1キロ続く。

手を繋いでゆっくり歩くピンクのトンネル。
沢山の人がいたけれど、ただただ満開の桜のトンネルに圧倒された。

しばらく歩くと、トンネルの左下に一面の菜の花の畑が目に飛び込んできた。


field-mustard_beiz_jp_P08785.jpg


トンネルから菜の花畑に降り、菜の花の香りに誘われながら彼と手を繋いで黄色いジュータンを歩いた。

どこまでもどこまでも続く菜の花のジュータン。
私が大好きな黄色。
それが一面に広がっている。

時折軽く吹く風になびく菜の花の大群。
その奥に続く桜並木のピンク色。
空は青くて、どこまでも広くて。
彼の横顔と、振り返るとその景色は一面の黄色。
ただただ感動している私。

菜の花畑の中を歩き、再び桜のトンネルの中に戻り、繋いだ手に寄り添って上を見上げた。
青空の下に揺れるピンクの桜。

KDX_a0801.jpg


来たかった場所に、好きな人と来れた喜びは最高の幸せと、最高の思い出として胸に刻まれた。



帰りの車の中はもう恋人気分だった。
途中の川原で日暮を迎えて、携帯に落としていたドリカムのアルバムがBGMになった。

急に甘えてきた彼に戸惑いながらも、言葉のない時間に彼の気持ちを感じていた。

キスは好きだよの言葉の代わり。
愛しているの言葉の代わり。

そうはわかっていたけれど、私は彼の口からちゃんと確信できる言葉が聞きたくて『私のこと好き?』と聞いてみた。

消えそうな、聞こえにくい声で恥ずかしそうに『好きだよ。』と彼が呟いた。
『ん?』と聞き返しても、2度目の好きの言葉はなくて『お気に入り』と笑って答える彼がいた。

それが彼からもらった最初の愛の言葉。

なのに私は『ブックマーク!?』と思わずつっこんでしまった。
ケラケラ笑いながら彼は何度か『お気に入り』と答えた。

お気に入り。

お気に入り。

黄菜子がお気に入り。

お気に入りという言葉にピンとこない私。

その時はまだ、好きとか愛しているという言葉が最高の愛情表現だと思い込んでいた私は、お気に入りという言葉が彼の最高の愛情表現だと気付いていなかった。



| ホーム |


 BLOG TOP  » NEXT PAGE